東京へ移動して"怒涛の成長"を遂げました(前編)
2025.1.16
弊社で開発に4年間 (構想も含めるとそれ以上)かかった、自社サービスが2024年11月にリリースされました。
今回は弊社サービスの紹介も兼ねて、これまでの取り組みを振り返りたいと思います。
ヘッジファンド向けの株式トレードシステムです。
一般的なトレードシステムの多くは、機械学習を活用して過去のパターンを見出し、取引に活用するというものですが、金融時系列データはノイズが多く、パターンを見出すのが困難です。また、上手くパターンを見出したとしても、そのパターンが長期的に通用するとは限りません。
我々のトレードシステムでは、「市場参加者が人間である」というところから、人間の行動原理を1つ1つ突き詰めて、普遍的に通用する戦略体系を構築しております。
過去4年間で多岐にわたる開発を行ってきましたが、大きく分けると以下の2つの柱に集約されます。
このプロジェクトでは経験10年以上のプロのトレーダーと協業し、開発を進めてきました。
彼が考案した取引戦略をプログラムに落とし込み、過去の株価データを用いてシミュレーションを実施。その結果をもとに彼と議論を重ね、戦略の改良を行ってきました。
また、必要に応じて機械学習を活用するなど、新しい技術も積極的に取り入れてきました。
AWS Step Functionsを用いてサーバーレスで注文銘柄の選定から注文まで行うシステムを構築しました。株価の取得や注文はAPIを連携し、クラウド上で全て完結するようになっています。
4年間の開発では、書ききれないほど困難の連続でした。代表的なものを記します。
社内に有識者がいない①
会社でPythonを扱うのは初めてで、社内に有識者がいませんでした。開発初期の私はエンジニアとして未経験に近く、効率的に演算させる方法も分からず、実装したコードでは計算がいつまでたっても終わらないといった問題に直面しました。
1年、2年と時間をかけながら技術を一つ一つ学習していき、演算を効率化していきました。時にはご縁で有識者の方と繋がりGPUを用いた計算も取り入れることで、これ以上は速くできないほど高速な演算が可能になりました。
社内に有識者がいない②
トレードシステム自体の社内知見が全くなかったため、専門書を読み進めるところから始めました。株価を取得するAPIや、注文・注文結果を取得するAPIとの連携が必要でしたが、ドキュメントはほとんど英語で記載されており、必死に読み解きました。時にはサポートデスクに英語で質問を繰り返し、何とか形にすることができました。
リリースができない
開発が進む中で、日本の金融関連の法律が非常に厳格であり、ヘッジファンドの取引を全てシステムで自動化することができないことが判明しました。具体的には、注文時には人が介在しなければならないという規制があり、システムが完成しているにもかかわらずリリースできないという事態に陥りました。
この問題を解決するために、代表やパートナー企業の方々が尽力してくれました。法的な専門家とも相談し、最終的には海外に法人を設立することで、法的な制約をクリアすることができました。
スタートアップなので、苦しくなる場面も
自社開発システムであるので、リリースするまでは売上を上げられません。上記の法的な問題でリリースができず、いつまでも人件費をかけるわけにもいかない状況でした。そのため、2022年10月から約2年の間、開発メンバーを私一人に縮小せざるを得なくなりました。
時には成果を共有できるチームメンバーがいると良いなと思うこともありましたが、トレードシステムの開発は非常に奥深く、工夫する余地は無限にありました。そのため、一人でも楽しみながら開発を進めてきました。
法的な問題もクリアし、先月、4年間にわたり開発を続けてきたサービスを無事にリリースすることができました。この瞬間を迎えることができたことに、大変感慨深く感じています。
これはまだ始まりの一歩に過ぎませんが、大きな目標を達成したことに対して、少し誇らしく思います。苦しい時期もありましたが、諦めずに取り組み続けて本当に良かったと感じています。
リリースを終えてこれから規模拡大をしていきたいと考えています。
など、無限に取り組む内容があり、社内のリソースだけではとても足りないので、人員を募集しています!!
この記事を読んで「なんか面白そうだな」と感じてくださった方、ぜひこちらよりご応募ください!
開発経験の長さよりも、分析する能力が問われるプロジェクトですので、データ分析が好きな方を大歓迎します。
皆様のご応募を心よりお待ちしております!
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