
「研究」と「業務」,両方やらなくっちゃあならないってのが「社会人大学院生」の楽しいところだな
2025.12.16

皆さんはじめまして!2月からインターン生として働いている杉原と申します。
私は大学3年生で、金融業界を志望しながらこの会社で働いております。
金融に興味を抱いたきっかけは、リーマンショックを扱ったビデオを見て、ひとつの出来事が世界経済を大きく揺らす現実に衝撃を受けたことでした。さらに、知人がスイスの銀行に勤めており、そこを見学させてもらった際、金融が持つスケールの大きさと専門性に惹かれたことも大きな原体験になっています。
もともとは収入を得ることを目的に営業のインターンをしていましたが、将来やりたいこととの間にギャップを感じるようになりました。
ちょうどそのタイミングでこの会社のことを知り、「だったら今のうちに金融の現場に触れた方がいいのではないか」と思い、金融エンジニアとして働くことを決めました。
現在は、自社ファンドの運営をチームで行っており、私はファンド分析用のダッシュボードを構築する業務に携わっています。
少しですが今年から就職活動を行っており、社会を覗き始めました。
ESや面接を重ねる中で痛感したのは、自己PRに一貫性を持たせることの難しさです。
評価されるのは「何をしたか」という成果そのものではなく、なぜその行動を選んだのかという背景や文脈を、ひとつの流れとして語れるかどうかでした。
ESでは成果を羅列しておけば凄みが出るだろうと思っていましたが、面接で何度も「なぜ?」と尋ねられると、言葉が出てこない。行動の裏にある価値観や動機としっかり向き合えていなかったことが、自己PRのつまずきとして突きつけられました。この経験が、私にストーリーの重要性を意識させる大きな転機になりました。
インターン業務においても、似たような壁にぶつかっています。現在担当しているファンド分析用ダッシュボードの開発では、AIに与えるプロンプトの設計が難しく、思った通りのアウトプットが得られないことが多々あります。タスクの背景を丁寧に伝えたり、AIが知っている範囲・知らない領域を正しく理解したうえで指示を出すことが極めて重要だと感じています。就活で感じた「どう伝えるか」という課題が、業務の中でもそのまま現れ、今の自分が向き合うべきテーマとして浮き彫りになっています。
気づきを最初に与えてくれたのは、学生時代に熱中したマジックとポーカーという2つの趣味でした。
どちらも単なる娯楽のようでいて、実は「ストーリーの力」を深く理解するきっかけをくれた存在です。
高校や大学の、文化祭のステージでマジックを披露しました。
当初の私は、難易度が高い技を並べれば盛り上がるだろうと思っていました。
しかし実際は、反応はあるものの“どこか物足りない”。
そこで、次の発表では発想を変えました。
技そのものよりも、テーマと伏線を先に置き、簡単な技でも場面に合う形で表現してみました。
ハロウィンには蜘蛛を出したり、誕生日の人にはその生年月日のカードを出したり。
すると観客の反応は一変し、ショー全体が有機的につながっていきました。
驚きを生むのは技法そのものではなく、
「物語として納得できる流れがあるかどうか」でした。

ポーカーも同じです。
あるトーナメントに出場した際、序盤は驚くほどハンドが入らず、慎重なプレイを続けるしかありませんでした。
同卓者たちから私は「守備的なプレイヤー」という印象を持たれていたはずです。
ところが終盤、「このタイミングなら、その印象を逆手に取れる」と感じる局面が訪れました。
弱いカードでしたが、あえて大きくベット。すると相手は静かにフォールドしました。
この一手は偶然の勝利ではありません。
序盤から積み重ねてきた「消極的に見える自分」というストーリーが、終盤の強気なアクションをよりリアルに見せ、相手に強い影響を与えたのです。
こうして気づいたのは、
大切なのは強力な実績の羅列ではなく、価値観と行動の接続。
この3つを揃えること。
プログラミングも未経験で、金融の実務も初めてという状況で飛び込んだ現場は、正直、戸惑うことの連続でした。
しかしそれ故にオークンでの日々は、本質を丁寧に捉え、それを自分の言葉で正確に伝えることの大切さを教えてくれました。
これからも、過去から受け取ってきた価値観と、いま積み重ねている行動を丁寧につなぎ合わせながら、自分の物語をさらに深めていきたいと思います。
金融の世界でどんな景色を見たいのか。その問いに、より解像度の高い答えを示せるように、学びと挑戦を重ね続けていきます。


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